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ハイパーカジュアルゲームの真実

本記事の原文はVentureBeatにて掲載されています。昨年にかけて、ハイパーカジュアルゲームは驚異的な成長を遂げました。ironSourceプラットフォームで計測しているユーザー単位の収益データをもとに、市場におけるハイパーカジュアルの一般的なLTVを掛け合わせることにより、我々はハイパーカジュアルゲームの市場規模が20~25億ドルに達していると予測しています。ゴールドマンサックスでさえ、Voodooへ2億ドルを投資しています。このような背景から、この驚異的な成長の要因やモバイルゲーム市場全体におけるインパクト、他ジャンルの成長をカニバライズしているのか、今後も安定的な成長が見込めるのか…など様々な視点からハイパーカジュアルゲーム市場を掘り下げてみようと考えました。

ハイパーカジュアルの成長要因

市場へ与えた影響を理解するには、このジャンルがなぜ急速にここまで成長できたか理解する必要があります。主な要因として以下の2点が挙げられます。今日におけるモバイルゲームユーザーのデモグラフおよび動向と、どんなゲームが興味をそそるかです。ユーザーの1/3は45歳以上で、55%以上を女性が占める今日の市場は、かつての一般的なゲーマー像とは大きく変わっています。EEDERによるモバイルおよびタブレットゲームについてのレポートでは、ユーザーがいつ・どのようにゲームをプレイするのかも変わってきているようです。かつて最も多かったのは、長時間におよぶ集中したゲームプレイでしたが、現在一番多いのは「家で何かをしながら」その次に「待ち合わせのときの暇つぶし」、「移動中」、「休憩中」、「トイレ中」となっています。

ることがわかります。ハイパーカジュアルは簡単にプレイできるため、このトレンドに最適です。こうして、現代のゲーマー像の需要に対して理想的な回答としてハイパーカジュアルゲームがありました。

勝負はInstall per mille

2つ目の要因としては、ユーザー獲得に関してクロスプロモーションへの依存から、スケールするユーザー獲得へ転換できたことです。マネタイズ側において、広告による収益性が高まりARPUが向上しました。そのため、ハイパーカジュアルのデベロッパーはユーザー獲得においてより競争性の高い単価で入札できるようになったのです。また、IPM (1,000impあたりのインストール数)向上のためクリエイティブ最適化に積極投資し、デザインが研ぎ澄まされていきました。たとえば、ハイパーカジュアルでパフォーマンスの良いプレイアブル広告はCPI単価が$0.40でもIPMが50近くになることがあります。これに対し、ミッドコアのゲームでは、CPI単価が$5.00でもIPMは3前後になります。このような状況から、他ジャンルと比べ圧倒的に低い単価で出稿しつつ、圧倒的に競争力のあるeCPMを出すことができたのです。

市場全体におけるインパクト

ハイパーカジュアルゲームにおける最大の懸念は、この新たなジャンルが新規ユーザー層の入り口となり市場全体の成長に寄与しているのか、それとも既存の他ジャンルのユーザーをカニバライズしているだけなのか、に尽きるでしょう。また、新規ユーザー層の入り口となっている場合、これらのユーザーはハイパーカジュアルでないゲームのユーザーになり得るのでしょうか?

表面だけを見ていえば、たしかにハイパーカジュアルゲームは多くの新規ユーザーを市場へ取り込みました。数年前、市場の大部分を占める「トリプルA」やミッドコア・カジュアルゲームデベロッパーはマネタイズにおいてアプリ内課金を重視していたためにアプリ内広告枠の在庫は限られ、ユーザー獲得においてFacebookとGoogle以外に効果的な配信先はありませんでした。Voodoo、KwaleeやPlaygendaryなどのハイパーカジュアルゲームデベロッパーの出現により、市場全体におけるアプリ内広告枠の在庫が急激に増加しただけでなく、これらの広告枠は必然的にハイパーカジュアルタイトルに最適なものでした。
上記については、ironSourceネットワークにおける過去2年間、25億人におよぶユーザーのデータにて実証できます。6.6億人がハイパーカジュアルゲームをプレイし、うち5.2億人はハイパーカジュアルと課金型のゲームの両方をプレイしています。しかし興味深いことに、上記5.2億人のうち約1億人は最初にプレイしたゲームがハイパーカジュアルでした。つまり、ハイパーカジュアルと課金型の両方をプレイする新規ゲームユーザーの20%において、ハイパーカジュアルがゲームをプレイするきっかけになったと言え、さらにハイパーカジュアルは新規ゲームユーザーの入り口となり、課金型ゲームのユーザーを育てているとも言えるでしょう。

新規ユーザー層のクオリティー

ハイパーカジュアルゲームが新規ユーザー層の流入元となっていることはわかりましたが、果たしてこれらの新規ユーザーはアプリ内課金や広告に積極的に接触するような、価値のあるユーザーなのでしょうか?

  • ハイパーカジュアルのユーザーは平均で4.8回動画広告を視聴しています。この数値は他ジャンルのユーザーと比較して約2倍の視聴回数になっています。
  • ハイパーカジュアルのユーザーは、他ジャンルのユーザーと比較して、約10倍広告アプリをインストールしています(1,000 DAUあたり)。
  • ハイパーカジュアルのユーザーは、他のジャンルのユーザーと比較して、約5倍課金型ゲームの広告アプリをインストールしています。

たとえ、これらのユーザーのパフォーマンスが平均的に低くても、課金型ゲームの広告主にとってハイパーカジュアルは大量に新規ユーザーを獲得することができる大きな機会です。課金型ゲームの広告主にとっては、徹底的に単価やクリエイティブの最適化を行い、クオリティの高いユーザーのみを効率的に獲得していくことが重要となります。

ハイパーカジュアルで最もパフォーマンスの高いのは誰?

ハイパーカジュアルの急速な成長により、劇的にユーザーが増加し、莫大な数のインプレッションが市場へ供給されるようになりました。しかし誰がこのインプレッションを獲得できているのでしょうか?

現在、これらのインプレッションの大部分は他のハイパーカジュアルゲームか、同じパブリッシャーのクロスプロモーションキャンペーンに買われています。いずれにせよ、ハイパーカジュアルの広告主がハイパーカジュアルの媒体へ広告を配信していることになります。しかし、はじめはこのような形ではありませんでした。初期の段階では課金型ゲームの広告主は、すでにユーザー獲得の最適化が進んでいたためハイパーカジュアルで多くの広告予算を消化していました。次第にハイパーカジュアルゲーム広告主の最適化が進み、現在では大部分のインプレッションがハイパーカジュアルの広告主が買い付けていますが、それでも全体の1/3は課金型ゲームの広告主が占めています。また、ブランド広告についても、ゲーム内在庫への広告出稿がトレンドとなりつつある関係で、ハイパーカジュアルの占める割合が増加傾向にあります。ハイパーカジュアルの幅広いユーザー層はブランド広告主にとって魅力的なインベントリーとして映るようです。

2019年におけるハイパーカジュアル: 安定化はできるのか?

圧倒的な成長にも関わらず、ハイパーカジュアルは個別のジャンルとしては非常に不安定です。ユーザーは次から次へと新たなハイパーカジュアルゲームへ移りますが、その過程のどこかで実際にお金を落とさなければ経済として成り立ちません。しかし、アプリ内課金型ゲームと違い、広告に支配されているハイパーカジュアルの世界では、課金が発生することは非常に稀でしょう。

我々が見る限り、約60%のハイパーカジュアル在庫は他のハイパーカジュアルの広告主に売られていて、この場合実際にどこにもお金は落とされていません。残りの40%のうち、約33%は課金型ゲームの広告主、7%はブランド広告主が占めていますが、この広告予算が現在のハイパーカジュアル市場の経済を安定化させています。したがって、ハイパーカジュアル市場における経済の未来を考えた場合、課金型ゲームの広告主がいかにハイパーカジュアルの在庫を効果的に買い付け、スケールさせることができるかにかかっていると言えるでしょう。Facebookでユーザー獲得の広告運用をするのと同じように、ハイパーカジュアルゲームのユーザーを深く理解し、クリエイティブの最適化やインストール後のマネタイズ戦略まで習得していく必要があります。

また、高いビューアビリティと良質なエンゲージユーザーなどにより、ブランド広告主による動画リワード在庫の評価が高まっています。したがって、ブランド広告がゲームアプリ在庫に浸透し、課金型ゲームの広告主が効率的にハイパーカジュアル在庫を買い付けられるようになれば、2019年も安定的にハイパーカジュアル市場は伸びていくでしょう。

ハイパーカジュアルは2019年でも話題になっているのでしょうか?間違いなく、話題の中心となっているでしょう。業界全体が引き続き注目していくはずです。

ironSource, CRO and Founder, Omer Kaplan

原文はこちら。)

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